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18歳未満は宿泊無料。子ども連れの家族が泊まりやすい宿にした理由|農家民宿 村の宿・丹波

子育て中のお母さん、お父さんへ。

 

家族旅行の宿を探すとき、人数を入力した瞬間に表示される合計金額を見て、そっとタブを閉じたことはありませんか。子ども料金の設定は宿によって様々ですが、人数分の宿泊費がかかるのが普通です。子どもが多いほど、旅行は高くつく。私も5人の子を持つ父として、その感覚は痛いほど理解しているつもりです(笑)

 

うちの宿は、その「当たり前」をやめました。

 

農家民宿 村の宿・丹波は、兵庫県丹波市山南町にある11組限定・一棟貸しの宿です。ヤギと、およそ50羽の鶏(時期によって異なります)と、番犬、それにナマズと暮らしながら、食とエネルギーの自給を目指す「みんなの村」の中にあります。大阪・神戸から車で約1時間半です。

 

そして当宿は、保護者様同伴の18歳未満のお子様は、何人でも宿泊無料です。

 

 

 

例えば、大人2人+子ども何人でも → 33,000

 

料金はシンプルです。大人116,500円(税込・素泊まり)、18歳未満は無料。

 

  • 大人2人+子ども1 33,000
  • 大人2人+子ども3 33,000
  • 大人2人+子ども5 33,000

 

お子さんが何人いても、宿代は1円も上がりません(定員は10名です)。一棟まるごと貸切なので、子どもが夜に騒いでも、廊下を走っても、誰にも気を遣う必要がありません。

 

 

 

子どもが多い家族ほど、体験から遠ざかっていく

 

普通の料金体系だと、子どもが多い家族ほど旅行代が高くなります。すると、どうなるか。

 

旅行の回数を減らす。行き先を近場で済ませる。「うちは人数が多いから」と、体験そのものを諦める。

 

つまり、子どもが多い家族ほど、子どもに体験をさせにくくなるんです。

 

私はこれ、ずっとモヤモヤしていました。子どもが多い家庭ほど、体験を積んでもらいたい相手がたくさんいるはずなのに、宿の料金体系がそれを邪魔している —— だから、子どもの人数を気にせずに泊まりに来られる宿にしました。

 

 

 

私自身が、子ども時代に選択肢を削られた人間です

 

とはいえ、安売りがしたいわけではありません。とにかく子どものうちに、様々な価値観や考え方に触れておいてほしいのです。というのも……少しだけ、私自身の話をさせてください。

 

私は中学の部活でそれなりの成績を残して、県外の強豪校からスポーツ推薦の話が来ていました。でも親は「スポーツで飯が食えるか。勉強して大学に行け」。結局、高校も大学も、自分の思いとは違う、親の希望を叶えるための進学。自分が進みたい進路を歩めませんでした。

 

これがね、後々ボディブローのように効いてくるんですよ。

 

大人になると、就職、転職、独立……人生を左右する決断が何度もやってきます。そういうとき、人を支えるのは「自分で選んだ道で、なんとかやってこれた」という経験です。その、自分で決めて自分で動いた履歴がある人は、新しい挑戦を前にしても「ま、今回もなんとかなるやろ」と思える。いわゆる「根拠のない自信」ってやつですね。

 

でも私には、その履歴がありませんでした。親が決めた道を、ただ歩いてきただけだったから。だから大きな決断のたびに、「ほんまに自分にやれるんか」と不安だらけ。そうやって、じわじわとメンタルを削られていきました。

 

自分で考えて、自分で決める。その小さな積み重ねが、未来の自分を支えてくれる —— 後になって人生を立て直す中で、身をもって学んだことです。

 

そしてもう一つ。行き詰まった私に活路をくれたのは、「こんな生き方もアリなんや」という発見でした。人間社会の中で稼ぐ道しか知らなかった私が、自然と調和して、食べ物やエネルギーを自分で生み出す暮らしに出会った。そして今度こそ、誰か他の人の希望ではなく、自分で選んだ。それが今の暮らしです。

 

 

 

だから、「こんな生き方もアリなんや」を渡したい

 

今を生きる子どもたちには、私が育ったのとは反対の環境を用意したい。それがこの村の宿です。

 

14時にチェックインしたなら、まずはヤギと番犬に挨拶して(番犬には手を差し出さないでくださいね)、鶏小屋を覗きます。たいてい、産卵箱には卵が転がっています。畑に出れば、季節の野菜が採れます。夕方には薪割り。ただ、割ったばかりの薪は水分が多くて、すぐには燃やせません。しっかり乾かして、いつか泊まる誰かの焚き火やサウナの熱になる。今夜あなたが燃やす薪は、前の誰かが割って乾かしておいてくれたもの —— そんな「順送り」も、この村の暮らしの仕組みです。

 

日が落ちたら、BBQをして、焚き火を囲んで、薪サウナで温まる。この村の電気は太陽光発電と電気自動車に貯めた電気でまかない、お湯は太陽エネルギーで沸かしています。翌朝は、鶏小屋で卵採り。ゆくゆくは、村で育てたナマズを捌いて食べられるようにも準備を進めています。

 

スーパーで買うもの、電力会社から買うものを、目の前で「生み出す」暮らしです。

 

 

世の中には、稼ぐための進路がいろいろあります。会社員も、公務員も、商売も、どれも尊い選択肢です。でも、そこから一段だけ視点を上げると、もう一つの道が見えてきます。自然と調和して、生産する。そんなに稼がなくても生きていける、自給自足的な暮らし。野菜を育て、鶏や魚を飼って食べ物を、薪を割って熱を、太陽から電気を生み出す生き方です。

 

学校や街の暮らしの中では、なかなか見えてこない選択肢です。人は、知らない道を選ぶことはできません。自分の人生を自分で決めるには、その前に、選択肢を知っていることが必要です。

 

この村は、いわばその「もう一つの道」の実物展示。せっかくだから、これからを生きる子どもたちに見ておいてほしい。一度でも実物を見て体験しておけば、将来仮に行き詰まった時に、「そういや、あんな生き方もあったな」と、活路を見出せるようになるかもしれません。

 

形には残らないけど、一生使える財産。この村では、子どもにそんな無形資産を手渡せる可能性があるのではないか。そう考えたから、18歳未満は無料にしました。私が生きているうちに、一人でも多くの若者に手渡したい資産です(って、まだまだ死ぬ気はありませんがw

 

ちなみに、こうやって暮らしも生き方も自分の手で作っていく営みを、私は「人生DIY」と呼んでいます。この村は、その実践場。DIYの真っ最中だから、いつまでも作りかけなんです(笑)

 

 

 

正直に書いておきます

 

いいことばかり書くのはフェアじゃないので、先にお伝えしておきます。

 

  • 素泊まりです。 食事は付きません。食材を持ち込んで、キッチンで作るかBBQをしてください。

 

  • 村は作りかけです。 きれいに完成したリゾートではなく、暮らしながら手を入れ続けている場所です(今は、ブランコを作っています)。

 

  • 田舎です。 虫はいますし、動物との距離は近いです。それが苦手な方には向きません。逆に、それが好きなお子さんには楽園かも。

 

 

 

周辺のこと

 

敷地内には「手打ちそば木琴」があります(営業日は木・金・土・日、ランチのみ)。チェックアウト後のお昼にどうぞ。

 

BBQのお肉は、近所のお肉屋さん「テラミート」がおすすめです。肥育から自社で手がけているお店で、高品質の割に値段が手頃。うちのBBQとの相性は抜群です。

 

車で約10分の場所には、丹波竜の化石で知られる丹波竜化石工房「ちーたんの館」があります。恐竜好きのお子さんがいるご家族は、セットで回るのがおすすめです。

 

近くの薬草薬樹公園には、温浴施設「リフレッシュ館」があります。大人数でお越しの場合は、お風呂はこちらを使うのが合理的です。同じ公園内には子ども向けの遊び場「みんなの楽校」も。正直なところ、うちの村は雨の日のアクティビティが少ないので、雨天のときはここに行けば、子どもたちは割と楽しめるはずです。

 

 

 

農家民宿 村の宿・丹波【基本情報】

 

  • 所在地:兵庫県丹波市山南町南中115-6

 

  • 11組限定・一棟貸し(定員10名)

 

  • 料金:大人16,500円(税込・素泊まり)/保護者様同伴の18歳未満は宿泊無料

 

  • アクセス:大阪・神戸から車で約1時間半/中国自動車道 滝野社ICから約30

 

  • 敷地内に手打ちそば「木琴」(営業日:木・金・土・日)

 

  • 車で約10分に丹波竜化石工房「ちーたんの館」

 

 

 

村の動物たちのことを詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。 動物好きの子どもと泊まる農家民宿。ヤギ、鶏、犬、ナマズと暮らす「農家民宿 村の宿・丹波」

カテゴリー:村長ブログ

投稿日:2026年09月13日